小笠原沖M8.5の大地震で緊急地震速報が鳴らなかった理由

今回の地震で小笠原や関東各所で震度5強または震度5弱その他の地域でも非常に広い範囲で揺れが起こり、北海道から沖縄まで全て揺れたといいます。

震度5強の地震にも関わらず一般向け緊急地震速報は出ませんでした。

 

これには理由があり、不具合があったわけではないのです。

今回の地震は震源の深さが590kmであり、深発地震に分類されるためです。

深発地震とは、地下の深い所で発生する地震のことで、観測史上この深発地震で震度5以上の地震が起きたことはありませんでした。

また地層の調査が行えず、地震波の伝わり方の計算が難しく震度の予測が出来ません。今回のような遠く離れた場所で大きな揺れが起こるなど、特定が非常に難しいのです。これを異常震域といいます。

そのため、震源の深さが150km以上の地震の場合、緊急地震速報を発令しないのです。

高度利用者向け緊急地震速報を使ったことがある人は見たことがあるかもしれませんが、予測震度が「最大震度不明」となるのはそのためです。

 

 

以前、千代田区などで震度5を観測した時もこの「異常震域」とよばれる遠くはなれた場所でも強い揺れを観測する現象が話題にされましたが、今回もその異常震域により神奈川や埼玉で震度5を観測したのでしょう。

 

前回の地震の記事のように震源が近い地域には緊急地震速報が間に合わないという問題に加え、深発地震についてもこのような技術的な課題を抱えています。

目くじら立てて怒っている方々を見かけますが、まだ実用化されてから10年も経っていない技術なので課題が多いです。
完全に信用し切る、もしくは完全に疑うのではなく利点と欠点を理解して個人個人がうまく使っていけるようにしたいものですね。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました